Learning in Context

保育園を立ち上げる際に考えなければいけないことは、たくさんありますが、地域の中に根付いていくためには、大きく２つの条件が必要です。１つ目が「どの範囲の子供たちに通ってもらえるか」、もう一つが、「職場として、保育士が通いやすい環境か」です。近年の保育士不足は深刻で、子供の人数が定員未満なのに、保育士がの人数が足りないため、入園条件に当てはまるお子様を預かれないケースもあります。今回の園づくりでは、子供たちのためはもちろん、保育士のための立地や物件選びから始まりました。駅からの距離、ビルとしてのサービス品質や安全性だけではなく、通勤時の電車の込み具合までリサーチ。不動産会社だからこその強みを活かし条件に当てはまる物件を探し出しました。空間としては、縦長ですが、３００平方メートルの広さがある物件。この広さを活かし、固定壁で区切ってしまうのではなく、可動式の壁を設置することで、必要に応じたゾーニングができるようにしました。今回の物件の間取りには、中央の大きな空間に隣接する４つの小部屋がありました。この小部屋は、バックヤードとしての利用も出来たのですが、子供たちの特別な場所になればと、各空間に「緑」「海」「山」などのテーマをもたせ、ボルダリングウォールなど設置。秘密基地のように利用できる空間をつくりました。建材については、奥多摩産の木材を利用。安全や安心に配慮し、アレルギーフリーな亜麻仁油で仕上げています。