Learning in Context

これまでの常識が通用しない変化にとんだ不確実性の高い現代社会を生きていく子ども達にとって、どのような育ちの環境がいいのでしょうか。近年、様々な研究結果の蓄積により、乳幼児期における目標に向かって頑張る力や感情のコントロール、人とうまく関わる力といったEQ（社会情動的側面）の育ちが、大人になってからの生活に影響を及ぼすことが明らかとなってきました。これらの知見に基づき、日本だけでなく国際的に乳幼児教育の重要性に対する認識が高まっています。このような背景を踏まえて、今回は中国で幼児教育に長年携わってきた先生方と一緒に保育園づくりのための研修プロジェクトを行いました。実施期間は10日間です。主な内容は、日本の保育基本原則に始まり、安全管理、乳児期の発達過程、食育、子育て支援、子どもの興味関心から始まる保育実践の紹介、オンライン保育園ツアー等です。研修では、インタラクティブな学びの場を心掛け、グループワークや学びの振り返りと共有を積極的に取り入れています。最終日の振り返りでは、「新たにスタートするチームとして、相互理解が深まり、関わり合いながら学び合う機会がよかった。今後、自分達でもこのような対話的な場を大切にしていきたい。」「保育の知見が深まっただけでなく、一人ひとりのよさ、そして私たちチームとしてのよさに気付くことができた。」「日本の子どもの興味関心から始まり、丁寧で応答的な保育実践はとても魅力的でした。私たちもこんな保育を子ども達と共につくっていきたいです。」という声をもらいました。