眠っていた商店街に、保育園が開園することで、活気がよみがえる

10年来の夢を仲間と共に形にした保育園開園プロジェクト

2017.2-2018.4
学びの環境デザイン
Episode.6

【にじのき保育園】~想いをカタチにする力を肌で感じた開園プロジェクト~

今回は株式会社にじいろキャンパスさんが初めて運営する保育園で、行徳駅徒歩0分にある「にじのき保育園(千葉県市川市/小規模保育)」の開園をお手伝い(マーケティング・物件探し・設計・施工)しました。
代表の小林さんの保育に対する想いに私たちは大変共感し、今回の保育園立ち上げは小林さんの子ども達を想う強い意志がなかったら、開園できなかった園だと今でも思っています。
そのため、今回はまずは小林さんの保育に対する想いをご紹介できればと思います。

 

それでもやっぱり保育士になろう!

小林さんは3兄弟の長男で、一番下の弟は8つ離れていて、小学校の時に外に遊びに行くときはいつも弟を背負って遊びに行っていたそうです。子どもの面倒を見るのが当たり前で、この頃の原体験から、将来は保育の仕事に就きたいと思うようになったそうです。高校では進学校に進み、周りが東大や早稲田慶応に進む中、保育士の勉強ができないからという理由で、保育学科がある大学に進学。
大学1年生の保育実習で実際の保育園にいって保育の現場を実際に体験したときに、職業としての保育士の現実が今まで自分が思い描いていたものとかけ離れていて、衝撃をうけたそうです。そして、これを機に他に興味のあったアパレル関係への道を模索することなりました。しかし、ある授業で学生同士で保育園を仮想で造り、中身の保育作りをしていく中で、「良い保育園とは、レッジョエミリアアプローチやモンテッソーリをそのまま取り入れてやっている保育園ではなく、仲間が隔たり無くやり取りしながら保育を創り上げ、同じ方向に向かって全員で動く保育園で、そんな理想な保育園を作るんだ!」と次第に元々の保育士に対する強い想いが沸き、再度、自分自身の職業として保育士になることに心に決めたそうです。
その時に一緒に決意した仲間と、大学卒業後から皆で少しづつ資金を集め始めたそうです。そして、2016年にゼロから保育園をつくった宮城の園長さん話を聞き、待機児童の問題が世の中で叫ばれいてる今、自分たちも作らなきゃいけないと使命感に火が付き、実際に開園に向けて動き出し、そんな中、私たちLiC(旧コソダテリノベ)と出会ったそうです。

 

5年間空いてるテナントを敢えて選定

今回の物件は、「行徳駅徒歩0分」という聞いただけでは最高の立地で、空いてもすぐに埋まってしまいそうな立地です。しかし、実際は駅からは近いのですが幹線道路で分断されていて、通行量も殆どなく、5年間借り手がつかない物件で、その物件が存在する商店街の一角だけ他に比べると眠っているように静かでした。
そんな物件ですが、保育園にとっては「駅近=送り迎えに便利」「通行量が少ない=安全」「商店街に属してる=地域との繫がりが容易」というメリットになり得ると考え開園をすることに決めました。私たちLiCは本当にクライアントが大切にすべき価値が何かを明確にし、一緒に前に進んでいくことをいつも心掛けています。

保育方針や目標を反映した園舎

小規模保育の保育園はマンションの一室やオフィス空間からの転用が多い中、今回の園舎はきちんと保育方針や保育目標をしっかり反映できるように何回も何回も設計打合せを重ねて、形にしていきました。
にじのき保育園の保育方針は「安心できる、みんなのおうち(安心)」「色々な体験を通して心を動かす(心動)」「共に過ごし、共に育つ(共育)」です。

【安心】
証明/材へのこだわり
保育園は子どもたちにとって第2の家といわれています。特に今回は小規模保育のため0~2歳児の乳幼児が生活し、普段は寝転んだり、お部屋の中で裸足で過ごすことが多いです。そのため子ども達に自然の柔らく暖かい雰囲気の中で安心して過ごして欲しいという願いから、床には薄いピンクがかった桜の無垢材、天井にはイタリアからこのために日本初で輸入した木の吸音材を使用しました。そして、照明についても天気や時間によって暖色系と白色系に切り替えられるようにしました。

【心動】
作品棚/材/本物へのこだわり
本物に見たり触れたりすることで、感覚を養い、色々な物事に興味を持ち、やってみたいという感覚が沸いてきます。そのため、前述の本物の桜の無垢材を使用したり、子どもたちが作った制作物も1つの作品もきちんと大切にするために、作品に光が当たる作品棚を制作しました。

【共育】
空間全体へのこだわり
保育士も子ども達から日々学んでいるため、保育士に対して「先生」の呼称を使わず、愛称を使うにじのき保育園。異年齢保育と相性がよいコーナー保育を行っています。そのため、今回の園舎はクラスを設けることをせず、1つの大きな空間にしました。そして、その中をコーナーやパーテーションで遊びを分けるような環境設計を行いました。また、ロールカーテンを設置することにより、子ども達の活動を時間で区切るのではなく、空間で区切るようにもしています。

他にもある「確かに!」と思った保育の特色

・それぞれの個性を活かすため、園児も先生も共に私服にしている。
・自園調理のレベルがすごい(ヨーグルトまで自園でしっかり調理)。
・誕生日は月にまとめてやるのではなく、当日にしっかりお祝いし、その対象は子供だけでなく親御さんも。
・子ども達に本物に触れて欲しいという願いから、プラスチックの茶碗ではなく、小林さんのの出身の栃木の益子焼のオリジナルお茶碗を導入。
・常勤の保育士たちがリトミックや歌遊び、そしてベビーマッサージの講師を外部で務めており、にじのき保育園での通常の保育活動に取り入れている。

クライアント様の声

学びの環境デザイン

主体者の学びと表現を
豊かにする環境を共創する

それぞれの学びをより関係的にするための環境を共に創造します。
今までの工業社会の世の中では、プロダクトはいかに高機能で低価格を実現するかという、終わりのない競争が、生活者にとっての本当の豊かさを置き去りにして、行われてきた。
わたしたちが行う環境デザインは主体者と対話を重ねながら、自分たちを豊かにしてくれる学びの実現にとって、何が最適かを紡ぎ出します。
そして、そこはきっと頭だけではなく感情にも訴えかける様な共感覚で多感覚、そして互いを尊重し合う、関係的な環境であると信じています。